otとそのセキュリティにまつわる基礎知識

情報技術を意味するitに対して、産業用システムの制御技術を示すのがotです。もっともot(OperationalTechnology)を直訳すると「運用技術」となりますが、現代では広義的に交通・電気や水道といった社会インフラを機能させるための設備、これらを運用・制御する技術を指します。製造工場内における、工作機械や制御装置自体を遠隔操作するのもotの仕事です。さて語感の似たitと同様にセキュリティが必要となるotですが、メンテナンスや更新のために装置を停止することはできません。

パソコンであれば数台に運用を割り振って、順番に更新していくといった行動が可能です。しかし産業設備やインフラのための機器の場合、停止すれば製造や都市機能がストップしてしまうからです。設備の運用およびコントロールをしながら、更新やメンテナンスを実施する必要があります。これまで産業用制御システムは、インターネット通信や社内のLAN接続からは分断され独立した状態で使用されていました。

独自のプロトコルを使用し、閉じられたネットワーク内で運用されていたためセキュリティの必要性はなかったのが過去の状態です。現代においては工作機械の稼動データを吸い上げてクラウドにアップロード、保守部品の管理や製造工場の全体のパフォーマンスの管理といったように社内のネットワークに繋げるケースが増えています。こういったオープンな通信に接続する機会が増えるごとに外部からの攻撃に晒される危険性が増していくため、otのセキュリティに対する注目が高まっているという訳です。

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